外国史ゼミ3 年生初の研修旅行として、2泊 3 日の大阪・京都研修を行いました。今回 の研修は「各国の文化に触れることを通して、日本の文化についてさらに理解を深めること」 をテーマとして、国立民族学博物館がある大阪と、古くから日本の文化の中心である京都へ 足を運びました。
1日目は、万博記念公園の中にある国立民族学博物館に行きました。国立民族学博物館は、 世界を大きく 8 つに分けた地域展示と言語や音楽の展示物があり、諸民族についての認識 と理解を深めることを目的として、1977 年に開館しました。様々な展示物がある中で一番 興味深かった展示物は「いのちの輪だち」というアフリカの展示物です。この作品は、2012 年にモザンピークのアーティストによって制作された作品です。内戦終結後、人々から回収 された武器を材料として使用し、自転車を二人乗りする人の様子を表しています。よく作品 を見てみると拳銃の部品がはっきりと見え、本物の武器を見たことがない私は恐怖を覚え たと同時に、作者の平和に対する強い思いを感じ、多くの人が見るべき作品であると感じま した。
2、3 日目は京都へ向かい、清水寺や安井金比羅宮、嵐山などの観光名所を訪れました。 その中でも六波羅蜜寺内にある空也上人立像は、忘れることの出来ない衝撃を覚えました。 空也上人は、平安時代中期に活躍した僧で、「南無阿弥陀仏」と口で称える称名念仏を日本 において記録上初めて実践した人物です。空也上人立像の口からは、6 体の仏像が出ていて、 南無阿弥陀仏の 6 音それぞれが阿弥陀如来の形になったという伝説を表現しているそうで す。画像ではよく見たことのある作品でしたが、実際に見ると仏像をつなぐ針金のようなも のはとても細く、口から出る仏像はとても小さく、平安時代の造像技術の高さと細やかさに 驚かされました。
今回の研修旅行を通じて、改めて本物を自分の目で見て、聞いて、感じることの大切さに 気付くことができました。空也上人立像も清水寺から見る景色も、大阪のたこ焼きも京都弁 も想像していたものとかけ離れていたわけではないけれど、実際は想像と少し違っていま した。その違いに気付くことが楽しく、面白く、学びになる旅行でした。知りたいこと、見 たいものが見つかった時は、面倒臭がらず、少しの勇気を持って旅に出たいと思います。 (文責:平ゼミ3 年竹尾)