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大阪・広島研修に行ってきました!

 今回は 2023 年度平ゼミブログ連載企画「平ゼミってどんなゼミ?」の課外研修編になります。平ゼミ 年生は 月 日から 日までの 日間、大阪・広島研修を行いました。今回の研修は博物館や資料館で情報収集を行い、卒業論文執筆に役立てることを目的としています。世界最大の規模を誇る国立民族博物館やナチス・ドイツによるホロコーストについての資 料や展示品があるホロコースト記念館に足を運ぶべく、大阪・広島を選択しました。

 1 日目は、広島市の平和記念資料館と福山市のホロコースト記念館を訪問しました。平和記念資料館は、1955 年に開館した広島平和記念館を改築し、1994 年に広島平和記念資料館として開館しました。2006 年にはわが国の戦後建築物としては初めて国の重要文化財に指定されました。館内には被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料が展示されており、広島の被爆前後の歩みや核時代の状況などについても紹介されていました。次に訪れたホロコースト記念館は、第二次世界大戦中にホロコーストの犠牲となったアンネ・フランクの父親オットー・フランクと記念館初代館長の偶然の出会いがキッカケとなり、戦後 50 年の節 目にあたる1995 年に日本で最初のホロコースト教育センターとして開設されました。展示室には世界 40 ヶ国から寄贈された遺品や写真の展示、収容所のジオラマ、犠牲になった子どもの靴やオットー・フランクのタイプライターなど貴重な品々が展示されていました。ホールでは映像を、ライブラリーや子ども部屋では絵本や書籍を視聴・閲覧できます。また館外に は、ベルギーの園芸家がアンネを偲んで作った「アンネの形見」と名付けられたバラや、アムステルダムにあるアンネの隠れ家から見えたというマロニエの木の 世が植えられていました。館内撮影は禁止されており、展示資料を写真で紹介できませんが、印象に残った資料をつ紹介します。つ目はゲットーの壁の再現です。ナチスがつくったゲットーは、ユダヤ人を強制収容所に送るまでの一時的な居住区で、そこは高い石造りの壁で囲まれていました。館 内に再現された壁には当時ゲットーで使われていた石が含まれており、実際に触って質感を 確かめることができます。つ目は記念室です。記念室にはマイグネク収容所に残されてい た15 cm の子どもの靴が置かれており、壁にはナチスによって消滅させられたエイシスキ(リトアニア)という小さな村で犠牲になったユダヤ人の写真が並べられていました。ホロコースト記念館では、犠牲となった子どもたちのことを思いながらホロコーストについて考えることがで き、『アンネの日記』に書かれていた「なぜ人間は、おたがい仲よく、平和に暮らせないのだろう」という言葉がとても重く、悲しく聞こえてきました。私たちは平和をつくるために「何かをする 人」にならなければならない、「いかに今を生きるか」を問わなければならないと思いました。とても充実した学びのある 日目を過ごすことができました。

 2 日目は、初日の移動距離が長かったため終日自由行動として体力の回復に努めることと して、日目は大阪府吹田市にある国立民族学博物館に向かいました。国立民族博物館は 民族学・文化人類学に関する調査・研究をおこなうとともに、その成果に基づいて民族資料の 収集・公開などの活動をおこない、これらを通して世界の諸民族についての理解を深めることを目的として、1974 年に創設、1977 年に開館しました。世界各地で生きる人々の環境と歴 史に根ざした生活と文化に焦点を当てた資料が数多く展示されており、各々が執筆する卒業 論文のテーマに即した地域を中心にじっくり鑑賞しました。特に印象に残ったのは「音楽」の展示です。和太鼓やギター、チャルメラなど世界各地の様々な楽器が展示されおり、ロックの 始まりやグループサウンズ、関西フォークの始まりなどの作品展示もありました。また、楽器から生み出される音色や人々が音楽を奏でる文脈やそこに込められた思いを伝えるために、 展示場には30を超える映像モニターが設置されていました。また、常設展に加えて、《カナダ北西海岸先住民のアートスクリーン版画の世界》という特別展が開催されており、北西海岸 先住民のユニークな作品を通して彼らの共生の世界観や社会変化が紹介されていました。月に鑑賞した《古代メキシコ展》と同様、目で見て肌で感じるとても有意義な時間を過ごすことができました。

 そして最終日は、台風13号の影響で無事に帰ることができるか不安でしたが、全員予定 通りに帰宅することができました。飛行機で帰るメンバーはフライトまでの時間、大阪市の新 世界に足を運び、通天閣やジャンジャン横丁を観光しました。レトロな雰囲気の商店街や賑 やかな街並みを実際に歩いてみて、大阪の魅力を体感できました。今回の大阪・広島研修で は様々なトラブルが発生しましたが、臨機応変の対応と他人を思いやる優しさで乗り越えることができました。今回の研修でゼミ生同士の絆がより深まったと感じています。今回経験した 全てのことは、これからのゼミ活動に向けて大変意義のあるものでした。これらの経験を活かし、今後もこの仲間たちと切磋琢磨しながら活動していきたいと思います(文責:平ゼミ 年・ 前田)。