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「『つながる気仙沼』プロジェクト参加記」

今回は《シリーズ卒論への道》番外編「『つながる気仙沼』プロジェクト参加記」になります。平ゼミ卒業生で現在NPO法人「地球対話ラボ」の理事である中川真紀子さんのお誘いをうけて、平先生と4年ゼミ長鈴木、副ゼミ長森の3人は「地球対話ラボ」主催の「つながる気仙沼」プロジェクトに参加しました(2023313日から16日)。このプロジェクトは、宮城県気仙沼市立気仙沼小学校の空き教室を利用して、アートを通じて児童とつながることを目的とした活動で、通称「アート小学校」とよばれています。以下では、このプロジェクトに参加して、特に印象に残ったことを紹介します。

 一つ目は、アート小学校を運営する地球対話ラボのメンバーの皆さんです。メンバーの皆さんはそれぞれに個性をもっていて、どのような情況においても児童たちと楽しそうに交流していました。また、その日にあったことをメンバー全員でしっかり振り返り、改善点や問題点について話し合い、次の日はどのようにするのか考えて、それらを直ぐに実践していました。アート小学校をさらに良いものにしていこうという姿勢や、そのためにくり返されるメンバーの皆さんの白熱した議論をみて、このプロジェクトは「児童と児童の対話」「児童とラボの皆さんの対話」にくわえて、「ラボのメンバー同士の対話」も魅力のひとつだと感じました。もちろん、平ゼミの卒業生と現役生の対話も貴重な機会でした。

 二つ目は、児童に対するメンバーの皆さんのアプローチです。アート小学校では様々な学年の児童が自分たちの好きなようにアートを楽しんでいました。しかし、通常教室外の空間(空き教室)ではときとして予想外の事態が発生することもあり、そうした時に生まれるメンバーの皆さんと児童の対話こそが、アート小学校の最大の魅力と感じました。例えば、複数の児童が段ボールで製作した秘密基地にこっそり隠していたものをあえて作品として提示してしまうところは、とてもユニークなアプローチだと思いました。

 以上が今回のプロジェクトに参加して感じた印象です。はじめは、どのようにして児童に接すれば良いのか不安でしたが、まずは自分からダンボールや絵の具を使いアートを楽しんでいたところ、児童がいつの間にかその作品づくりに加わってきてくれました。児童と一緒にアートを完成させようとするなかにこそ、「対話」のきっかけが見つかるのだと実感しました。多くの学びと発見があった充実した3日間となりました。(文責:平ゼミ4年・森)