· 

《シリーズ卒論への道》 第二回「文献検索」

 《シリーズ卒論への道》第一回では、卒業論文のテーマを設定するにあたり、「現代性」「歴史性」の2つの要素を組み込む必要性について学んだ。これを踏まえて、今回はテーマを深めていくにあたって必要となる「文献検索」の技術を修得するために、文教大学図書館の文献検索ガイダンスを受講した。

  文献検索ガイダンスでは、大きく「検索のコツ」「文献の管理方法」「図書・論文を探す手段」について学んだ。

 はじめに、「検索のコツ」としては、検索システムの基本的な構造を理解し、本文の内容までは検索の対象とならないため、検索ワードを厳選する必要があることを学んだ。それによって検索の可能性は高まり、自分のテーマに沿った文献をより多く発見することができた。また、同義語や類義語など、さまざまな検索ワードを試すことで、さらに多くの文献にアクセスすることができた。

 つぎに、「文献の管理方法」としては、文献リストを作成することの重要性について学んだ。ガイダンスを担当していただいた司書さんは、ご自身の研究のなかで必要な情報がどの文献に記載されていたのかを忘れてしまい、探し出すのに多くの時間を費やしてしまったという経験をお話しされた。このような時間・体力の浪費を防ぐためにも、文献リストを作成し、どの情報がどの文献に収録されているのか常に明確にしておくことで、研究を効率良く進めることができることを理解した。

 さいごに、「図書を探す手段」としては、OPACなどのオンライン蔵書目録のほかに、文献の分類番号から探す方法を学んだ。番号を追って直接本棚を探してみることで、検索で見落とした文献を見つけることにも繋がる。「論文を探す手段」としては、CiNii Research / J-STAGE / 国立国会図書館デジタルコレクションといった論文検索ツールの使用方法を学んだ。なかでもCiNii Researchは日本最大級のデータベースであるため、今後も積極的に活用していきたい。国立国会デジタルコレクションについては早速会員登録をおこなう予定である。

 

 今回の文献検索ガイダンスで学んだことは、卒論執筆の基礎となる技術である。これらの技術が卒論の本文中に表れることは少ないだろう。しかし、文献検索の技術を修得しているか否かで、論文の質に差が生まれてくる。2年間という限られた時間のなかでより満足できる論文を完成させるためには、時間を効率よく活用しなければならない。そのためには、文献検索の時間をできる限り短縮することによって獲得できる時間を、主要な参考文献を精読する時間に充当することが求められる。今回の文献検索ガイダンスを受講するにあたって、ゼミ生全員が事前に自分なりの検索方法で卒論のテーマに関する文献リストを作成した。現在、私はその文献リストの修正作業をおこなっているが、文献検索ガイダンスを受ける前と後では、自分が求めている文献にたどり着くスピードや、ピックアップする文献数に差が生まれていることを実感している。このことから、今回のガイダンスを通して文献検索技術の向上を感じていると共に、まだ始まったばかりではあるが、卒論への道を一歩ずつ前に進んでいることを体感している。引き続き、文献検索の技術を駆使しながら、「文献の扱い方や記し方、文献検索の技術に関しては他のどのゼミにも負けない」という平ゼミとしての高い意識とプライドをもって、卒論作成に取り組んでいきたい(文責:平ゼミ3年・稲川)。